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笑い話
こんな話がある。ある日西本さんが天川村方面に鮎釣りに出かけた。

川に下りて行こうとすると、見知らぬ人が
「おい、そっちはやめとけ。無理無理」という。

理由を聞くと
「昨日、大塔の西本っちゅうのがそっちに釣りに行ったらしい。大塔の西本と言えばそりゃあすごい名人だ。あの人のあとじゃあんたなんか絶対釣れない、やめとけやめとけ。」
というのである。

「ところであんたはどっから来たんや」
「大塔からや」
「・・・ほんなら西本って知らんか?」
「わしがその西本や」
「ひゃあ、そうか!そんならどうぞ行ってください」
2人は大笑いしたそうである。

今でも河原で鮎を釣っていると、橋の上に見物のばあちゃんたちが並ぶ。
鮎が釣れるたびに手をたたく。「大塔の西本さんやろ?」顔はわからなくても、
あゆキチゆきさんの名は近隣に知れ渡っているのだ。